2014/05/06

一生に一度あるかもしれない自転車乗りのための、飛行機輪行講座


 どんなに魅力的なライドスポットがあったとしても、電車やクルマで行くには遠すぎるエリアだとしたら、それだけで尻込みする自転車乗りは多いのではないか。いくら写真やテキストで熊本・小国の壮大なライドを伝えようとしても、画面の向こうの遠い話にしか感じてもらえないのではないか。なんてことを思って、飛行機輪行のことを書くことにしました。実際に行ってしまうのが一番いいです、はい。

 僕自身、今回の Rapha Gentlemen's Race が熊本開催と聞いて「飛行機移動か...」となっていました。どのくらい厳重にバイクをパッキングしたらいいのか、モヤモヤとしてよくわからなかったからです。でも一度経験してみると、取りあえずこんなレベルの梱包スキル(と、ある程度の予算)があれば、どこへもフラリとライドに行けるものだ、と実感しています。小国のコースや他の魅力的なルートをライドしに飛び立ってみよう、という時が来たときの参考になったら嬉しいです。



  1. 輪行ケースの準備


     普通の旅行と違って飛行機輪行が厄介なのが、自転車そのものの輸送。頻繁にフライトするならともかく、1回限りのために高価なケースを購入する必要はないでしょう。今回は最寄りの自転車プロショップで完成車が入っていたダンボールを貰い受けてパッキングしました。必要なときに入手して、不要になれば廃棄。ダンボールだから資源ゴミになるのか。貰いやすいよう、お店のスタッフと仲良くなっておきましょう。

     ただ、ダンボールの場合は水濡れ(雨など)が気になるので、時間に余裕を持って入手する必要があります。ショップでは基本、空箱は屋外保管なので。ちなみに僕は週末ことごとく雨に降り込められたため、入手できたのが出発日の前週でした。

     以下、参考レベルで一般的なケースを簡単にリストアップしてみます。

    1. 飛行機輪行向きの収納ケース・袋
      1. ハードケース
         ・scicon:http://www.intermax.co.jp/products/scicon/#wheeled_bag_line
        「遠征してます」感満載。キャスター標準装備で乗り継ぎの移動は楽そうだけど、大きい・重い・高価。使わないときの収納に困りそう。よっぽど高価なバイクか、フライト多いなら…レベルな気がする。

      2. ソフトケース
         ・オーストリッチ OS 500:http://www.cb-asahi.co.jp/item/08/01/item31200300108.html
        OS 500 はツールド沖縄など飛行機によく乗る選手にユーザー多い。価格は2万円前後。使わないときは畳んで収納できる。国内フライトが多いなら持っててもよさそう。

      3. 普通の輪行袋:
        ランドヌール(ブルベのライダー)が次の目的地(宿泊地)へ、小さく畳んでドロップバッグするのに使用しているイメージ。その筋の方に聞いて下さい、ということで、ここではスルー。

      4. 輪行専用のダンボール箱:
         ・カブトの輪行函:http://www.kabuto99.com/products/detail.php?product_id=16
         ・BTB:http://www.j-kowa.co.jp/w-shop/bicycle.html
         ・トスワークの自転車ダンボール:http://www.dekadan.net/bicycle.html
        通販で入手可能、メーカーによってサイズがまちまち。箱自体への加工は不要なので、預け手荷物のアップチャージと相談してのチョイスもありかと。実は過去に飛行機輪行の経験があり、その時はエールフランスのスポーツ用品輸送のアップチャージでカブト輪行函を使用しました。

      5. 完成車用のダンボール:
        たいてい無料で入手できる。家での保管にさほど困らない。必要なときに貰ってきて、不要になれば廃棄できる。

    2. 完成車用ダンボールの入手先
       近所にある懇意のショップで譲ってもらいます。空箱とはいえ大物なので、運ぶのが意外と大変。クルマ持ってない僕は、自転車に載せて家まで1時間弱歩くことに。


  2. ダンボール箱を加工する
     完成車用のダンボールそのままではアップチャージ対象の可能性が高いので、無料受託の範囲内となるよう適度な大きさへ加工します。「適度」がどのくらいになるかは、利用予定の航空会社に確認をします。適宜変更されているそうなので、事前に公式発表の確認が必須です。

    1. 主な国内線の預け荷物のサイズ比較(2014/05/06現在/エコノミー)
      • ANA:3辺の和が203cm以内、重量20kg以内 → 該当ページ
      • JAL:50cm×60cm×120cm以内、20kg以内 → 該当ページ
      • Jetstar:長辺190cm以内、重量によりチャージが異なる → 該当ページ?
      • Solaseed Air:3辺の和が203cm以内、重量20kg以内 → 該当ページ
      (参考:naverまとめhttp://matome.naver.jp/odai/2137777560468733201

      本記事の加工例は Solaseed Air (ソラシドエア)を利用したため、203cm以内, 20kg以下への対応を想定しています。ちなみに預け時に寸法計測されたので、トラブル回避のためテキトーはダメ、絶対。

    2. 箱の加工をする

      入手したのは Cannondale の箱で、サイズは縦74cm x 横129cm x 奥行22cm(※素人採寸)でした。メーカーによってサイズ違うようなので加工時は注意が必要です。
      • 梱包するバイクのサイズ:TT 535mm, ステム 120mm, ハンドル c-c 420mm
      • 加工後の箱のサイズ:縦72cm x 横107cm x 奥行22cm = 201cm
      • 箱の加工(カット):
        1. 縦辺(最小の面にある最長の辺)と横辺の一部(21cm 程度)をカット、内側へ折り込んで長辺を詰める
        2. ガムテープを貼る余白を残して、余った面を切り落とす(上の画像を参照)
        3. フレーム+フォークが収まるギリギリ(3.梱包する、の横面の画像を参照)まで長辺詰めても規定サイズ(203cm)をクリアできない場合は、縦辺を 2-3cm 程度詰める


  3. 梱包する




     ステム、シートポスト、ペダル、ボトルケージを外します。外した小物や工具は適当なサイズの箱に収めると同梱しやすくなります(シューズ下の箱が対応)。ハンドルの一端をフォークの間に通すと、箱の中で暴れることなく収納可能。ホイールはクイックリリースを外して、フレームの両サイドへ収めます。

     収納の順番は下になるものから順に、小物箱→シューズ→フレームセット→ホイール→シートポストやウェア類、です。フレーム保護や緩衝剤は適当にクルクルと。チェーンリングが箱にダメージを与えないよう、BB 下を嵩上げしてます。


     また、リアディレーラーは保護のため取り外してチェーンステーの内側に収めました。チェーンやクランクも中で暴れないよう適当に固定。梱包さえできてしまえば、あとは運ぶだけです。

    同梱できたもの:シューズ、小物入りの箱、ウェア、ボトル、大きめの携帯ポンプ。合計16kg也。


  4. 空港まで運ぶ


     空港までクルマで乗り付けるなら大した問題はありません。ですが電車利用で、駅まで徒歩となると重いです。両手が塞がるので当然、その他の荷物はバックパックに纏めることとなります。写真のバックパックは Cassin の 40L+。パンパンに詰めなかったおかげか、機内持ち込みできました(持ち込み可能サイズかは出発前に計測済み)。



     キャスターつきのバンドは便利そう。ちょっといいお値段ですが。ACOR APB 21101 マルチキャスター ※ダンボールはトスワーク製 via aerofog on instagram



  5. 空港から宿泊先までの移動手段


     降り立った空港から都市部、目的地へのアクセスに選択肢のないことは多いと思います。リムジンバスの荷室に積載できないことはないですが(例:東京空港交通)、現地での足を考えるとレンタカーが無難でしょう。熊本では 5人/バイク5台でハイエースをシェアしました。
    • 1−2人なら軽バンが荷物積めるし、積みやすい。
    • 人数が多ければハイエースやキャラバン等のクラス


  6. その他(メモレベル)
    • RGR Oguniのコース via strava http://www.strava.com/activities/132201157
    • メイン会場となった学びやの里 木魂館は、かつて MTB Jシリーズの舞台だったとか。宿泊も可。
    • JCA のサイクリングタッグ:滞在場所で預かってもらえるなら、現地への移動が身軽になれてよさそう。
    • ライド時の携帯用ポンプの他に、空気入れやすい大きめのポンプも同梱するとよいかも。今回は Sigma Sports Lambda Jet を携行したものの、最終的には RGR 本部テントのフロアポンプ借りました。。
    • 羽田空港から/へは、東京モノレールと山手線がセットの割引乗車券がある。


それでは良き Epic Cycling Life を!

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